こんな作文を書いています。書けるようになります。

「ことばのうみ」 阿部 久美子

2019年06月26日 15:29

こんにちは
言葉を通じて人生を豊かにする国語教室「ことばのうみ作文研究所」阿部久美子です。

今日は、「苦手コクフク作文講座」で書かれた作品をご紹介します。

基本コース第2回は、「行事作文を書こう」のテーマでレッスンを行いました。
行事といっても、みんなが同じ行事を経験しているわけではないので、みんなが共通に経験している「今」、「作文教室について書いてみよう」ということにしました。

 「苦手コクフク講座」だけあって、作文教室に来ると決まった時の気持ちを聞いたところ、
「ヤダ〜」「マジかって」「え〜って思った」「なんで? と思った」などなど、イヤイヤ感満載です。でも、その「イヤ」が、いい味を出してるんです。本心がよく表れてる ^^;

そこで、「自分の、その気持ちをまず書こう!」というところから始めました。

◆今日のコツ カッコ「  」から始めよう!

「それはいつのこと?」
「お母さんはその時、なんて言ったの?」
「やってみてどうだった?」
「じゃあ今はどう?」
と、それぞれに聞きながら、「はい、じゃあすぐそれを書いて。」と書き取らせます。それをまとめて、ちょっとだけ表現を添削したら、出来上がり。
こんな作文ができました。


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   りぶらの中にある教室
        中2 T.Kさん
「う~ん。」
「あんた、作文苦手でしょ。体験だけでも行ったらどう?」
 九月のある日の母との会話だ。この会話は、「言葉の海」という作文教室を勧められた時のものだ。母は、ネットでこの教室を見つけたらしい。そして、僕は言った。
「わかった。体験だけは行くよ。で、場所はどこ?」
「りぶら。」
「は? りぶら?」
「他になかったの?」
「うん。」
 母は、気軽に言った。この時、「マジか」と思った。しかし、抵抗しなかった。僕が作文が苦手なことは事実だし、仕方がないかなと思ったからだ。
  (中略)
 授業の内容は少し興味のある部分はあったけど、やっぱり苦手なことだから、つまらなかった。でも、作文が大の苦手の僕にはやるしかないと思った。
 でも、一番嫌だったことはめちゃくちゃ疲れたことだ。その原因は「鉛筆タイム」。時間になるまで手を動かし続けないといけないから、やだ。僕は書くのが遅いから、とても疲れた。それでも、僕は来月も多分行くだろう。
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どうです? いいでしょ? 気持ちがとてもよく表れた作文だと思います。
学校で書く作文では、「イヤ」なことをそのまま「イヤだ」と書くことは、はばかられますよね。「しかられるんじゃないか」「点数を下げられるんじゃないか」って。

でも、この「ことばのうみ」では、思ったことをそのまま書けばOK
自分の気持ちを素直に表現する練習です。

思春期に差し掛かる小学校高学年から中学生の子供たちが、自分の気持ちをきちんと表現することは、生きていくための力をつけることにつながります。

「ウザい」「キモい」だけしか言えない子は、自分の中にある、「困ったこと」や「苦しいこと」と向かい合うことができす、さらに、周りの人たちにもわかってもらえないまま、自分の心や周りの人たちとの人間関係も十分に育てることができないのです。

言葉を上手に使えなくて困っている子供達に、作文を通じて生きる力を届けたい。そんな気持ちで、今日も教材を考えています。
では、次回は夏休みの講座のご案内をいたします。

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